愛。
 愛の実相は、愛する事。愛される事ではない。
 だから、受け身の愛は、陽炎。(かげろう)
 愛されたい、愛されたいと思えば思うほど、愛は、逃げていく。
 愛は、愛する事。
 傷つく事を怖れていては、愛を得る事はできない。
 傷つき、疲れ、身も心もボロボロになったとしても、愛を信じるしかない。
 愛に絶望したら、愛は得られない。
 愛は、自分の魂。命そのもの。
 だから、人は愛さずにはいられない。

 母の愛。
 人は、愛される事によって愛する事を知る。
 母の愛は、全ての始まり。
 愛は、愛によって育まれる。
 母の愛は、包容する愛。包み込む愛。
 与え尽くす愛。自分の身の内に抱き。
 身を二つにしてまでして与える愛。
 それは、安らぎ。和み。癒し。
 母の愛に包まれて、健全な愛は育まれる。
 だからこそ、愛を知らない子供達は、愛に飢えている。
 愛される事から愛する事へ。
 それが真実の成長。
 真(まこと)の愛が花、開く時。

 男と女。
 出逢い。出逢いから全てがはじまる。
 それは、新しい世界の始まり。
 胸のトキメキ。時の煌(きら)めき。
 愛は、融和。
 それまで、別々の人生を歩んできた者同志が一つになること。
 愛は一体。共鳴。共感。
 生き方も考えも違う魂が出逢い、
 身も心も熔けて一つとなる。
 心と心を溶かして一つとする。それが愛。
 だから、恋は炎。
 灼熱の思い。
 男と女の激情。
 激しいぶつかり合い。葛藤。戦い。
 そして、融合。
 生まれも育ちも考え方すらも違う者同志が一つとなる。
 どろどろとした恩讐の果てに一つとなる。
 それは愛の力。

 恋に恋する人がいる。
 しかし、それでは真実の愛は勝ち取れない。
 長い葛藤の末に、人を許し、自分を許す事で愛は、成就する。
 惜しみなく愛する事。
 愛する者は、戦士。
 愛は戦い取るもの。
 愛は、自分の妄執や邪念を焼き尽くし、燃やす尽くす。
 焼き尽くし、燃やし尽くして、
 自己の魂を純化する。
 己(おのれ)にこびりついた汚れを浄化する。
 愛は、愛する事。愛される事ではない。
 思うことは自由。思われることは不自由。
 全ての始まりは出逢い。
 出逢いから始まる。

 得られぬ愛を求める時、人は、鬼と化す。
 嫉妬の炎に身を焦がし。
 阿修羅となって人を呪う。
 しかし、それは愛が為せる業(わざ)ではない。
 人の業(ごう)の為せる業(わざ)。
 待っていては、愛は得られない。
 受け身だけでは、愛は得られない。
 求めるばかりでは、愛は得られない。
 愛は愛する事。
 愛は、与える事。与え尽くす事。

 神の愛は、許し。救済。
 神の愛は、与え尽くす愛。無償の愛。
 神の愛を受け容れるか、受け容れないかは、自分自身の問題。
 神は、いつでも、我々を慈しみ、見守っていてくれる。
 神の愛は、慈悲の愛。
 悔い改めなければ、神の愛に背くこと。
 神の愛に背き、神を呪えば、その報いは、自らが受ける。
 しかしそれは、自分で自分を裁いているのに過ぎない。
 自分の愛に背き、自分を呪っているに過ぎない。
 神の愛は、全ての存在に等しく注がれている。
 神の愛は、至上の愛。





          


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